心の底からリスカなんてしなければよかったと後悔 – 28歳 女性
「今でもニュース番組の特集やドラマなどで、リストカットが取り上げられているのを見ると、思わずドキッとして目をそらしてしまいます。それは、私の腕にも傷跡が残っているから。」
「切る=遊び」だったリストカット
リストカットをするそもそものきっかけは、高校生の頃に当時付き合っていた彼氏のイニシャルを、カミソリで彫って入れたことでした。
今考えてみれば、安全ピンで耳に穴を開けたり、校則を破ってみたりと刺激を求めていたのだと思います。
それと同じ感覚で何となく少し手首を切って血が出ること・痕が残ること・治ることをただ見て面白がっていました。
経験が引き金になってしまった
それから数年、何となくリストカットをしなくなりました。しかし、あるきっかけからまたするようになってしまったのです。
私が18歳になる頃に妊娠し出産しました。年齢もあり収入も無かったので同い年の夫とは一緒に暮らせず、寂しさや不安から、この行き場のない気持ちをどうにかするために再びリストカットをしてしまったのです。
遊びと言えども1度自分のからだに傷をつけると、なんのためらいもなくできてしまうのです。初めは、うっすら痕が残ってしまうほどの傷でした。
しかし、一緒に暮らし始めてからも不安や心配事を上手く言えずにエスカレートしてしまいました。手首では傷が目立ってしまうためいつしか肘から上と肩の間らへんを切るようになっていました。
その時の私は死にたいと思いながらも死ぬ気は全くなく、ただ私の気持ちに気づいて欲しい…それだけでした。切るのはたいてい夜中だったので、『これで今日も眠れる』そう思いました。切ったことで不思議と得られる安心感があったのです。
リストカットをやめてから
数年が経ち子供がある程度大きくなったので私も働き始めました。
不安や孤独を感じられないほどの多忙で、リストカットはしなくなりました。
手首のリストカットはほとんど目立たないものの、肘から上の傷は28歳のいまでも盛り上がったまま残っています。飲食店の制服ではギリギリ隠れてはいたのですが、チラッと見えてしまう時などはお客さんの目がとても痛くて辛かったです。
袖で傷が見えていなくても大きな絆創膏を貼ったりと、傷と過去を隠すのがとても大変でした。着たい服も着れません。
いいことなんてひとつも無かった
いつか傷は消えるだろうと思っていたのに、未だに消えません。
きっとこれからも消えないのだと思います。
悩みを、自分を傷つけることで解決した気になっていたなんて、あの時の自分はとても浅はかでした。きっと、もっと別の方法があったのだと思います。周りに相談が出来ないのならば、ネットを開けば吐き出せる場所なんていくらでも探せます。
大きくなった子供にどうやってこの傷の説明をするのか、そう考えると後悔しかないです。
どうか、こんな思いをする方が1人でもいなくなってくれればいいです。