リストカットに依存していた私の話 -22歳女性
私は現在22歳、大学を卒業して地方にある専門学校に通っている女性です。
リストカットを始めたのは15歳の時、7年経った今、まだリスカをやめたとは言い切れない状況です。
今リストカットへの依存を克服しようと足掻いています。
自分のためにも、同じような悩みの人にも何かきっかけになればと思い、体験談を書かせていただきました。
リストカットのきっかけ
15歳になる前の夏くらい、受験や進路のことで悩んでいる頃でした。
成績は良い方ではありましたが、父親がハイレベルな公立の進学校の受験を前提に話をするような意識の高い人でした。
それに応えようと頑張る気持ちはありましたが、自信がない自分もいて自分の中で気持ちのすれ違いが起こるような気持ち悪い状況でした。
そんな時期に父親が酔っ払って家で暴れたことがあり、勉強してる中で父親の怒鳴り声に頭がいっぱいいっぱいになり、近くにあった携帯用カッターで手の甲をスッと切ったのが初めてでした。
その時はリストカットという言葉も知りませんでした。
リストカットが始まった時の心境
初めて切った時はたった一筋の浅い傷でしたが、いっぱいいっぱいで混乱していたのが少し冷静になれた気がしました。
ちょっとチクっとした後に少しヒリヒリする痛みが続いてることが逆に心地よくも感じていました。
そんな出来事があってからひと月後くらいにテレビでリストカットという言葉を知りました。
実際にODやリスカをしている人を密着取材しているような番組で、実際にその人の発言や行動を見ていても、「私もそうだ、私もこの人と同じことを思っているよ」と共感するような気持ちがたくさん湧き上がりました。
そして、「同じような気持ちを抱えてるんだから切ってもいいよね」という気持ちでリストカットをしているという自覚の元で手首を切るようになりました。
リストカットへの依存
最初は手首の外側、だんだん内側を切るようになり、一回のリストカットで切る傷の数がだんだん増えてきました。
傷数の次は傷の深さ、出血量、切るたびに写メを残して達成感を味わってました。
頻度は三日に一度くらい、当時がリストカットのピークだったと思います。
切る理由は様々でしたが、結局切っている時の自分は「こんな自分だからダメなんだ」という罰に近い行為としてたくさん切ってました。
切った後はウェットティッシュで拭いて包帯を巻いていましたが、ある時深く切りすぎて肉の断面が見えた時、さすがに異常かもしれないと保健室に駆け込みました。
保健室の先生は優しく対処してくれました、そしてすごく心配されました。
涙目の先生に心苦しく感じましたが、結局リストカットをやめる気にはなりませんでした。
リストカットをやめる資格がない、リストカットをしないと私はダメな人間になってしまうという心理と、リストカットをしているから優しくしてくれる、やめたら優しくしてくれないのではないかという心理、
その二つがやめられない、依存する原因だったと思います。
依存脱却への一進一退の今
高校時代に彼氏ができたことや、大学に上がってアルバイトをするようになったということで、リストカットをやめなくてはと思えるようになりました。
自分がリスカに依存していた心理が何なのかを調べるためにカウンセリングを受けたり、考え方を意識的に変えたり、何でも話せる友達を作ったりしました。実際に効果はあったと思います。
ただまだ根っこの弱いところが自覚できていないのか克服できていないのか、環境の変化や人間関係でストレス過多なことがあるとずっと切らずにいたのに…というタイミングで切ってしまうことがありました。
つい3ヶ月前も、せっかく白い古傷だけの手首に戻れたのに切ってしまったという自分がいます。
ピークの三日に一度の頻度に比べれば現在は一年に一回あるかないかくらいまでのペースにまでなりましたが、ゼロではないことと、耐え難い切りたい欲を抑えるのが本当にしんどいのが辛いです。
リストカットの依存性は正直麻薬並だと思います、切らないように手首を抑えると知らずとアザができてたりするくらいです。
代替行為もしつつ、切りたいとまで思いつめないようなストレス解消法と自分の心理を理解しようと模索する日々です。
傷を抱えての生活
今私は左腕の手首から二の腕にかけてと両太ももに自傷跡が残っています。
太ももの傷は日常で見られることはありませんが、左腕の傷は長袖でないと隠せないくらい範囲が広いので、夏などはUVカットのカーディガンを羽織って行動しています。
ですが、絶対見られないようにきっちり隠すようなことはしていません。
水道で洗い物をする時や袖が邪魔になるような作業では周りの目を気にせず袖をまくったりします。
こうすることで周囲の人に常に見られている、自分が隠さなきゃいけないような新しい生傷を作らないように気をつけようとリスカ防止になりました。
ただ長期休暇の時が傷が晒される機会が減るのでリストカットをしてしまうことが時たまありました。
でもそういう可能性が予測できるようになっただけ進化なのかもしれません。
以前に「もう切らない!やめた!」と思っていたのに切ってしまって、後悔しすぎて気持ちが沈むことがあったので、頑なに「絶対に切らない」と思わずに「切る可能性がゼロではない」という程度で思っておくようにしています。
逆にその方が「自分を切るだけのエネルギーが有り余っている」という気がして、はけ口を変えたらすごいことができる気がするんです。
自分の古傷を見ても「今まで頑張って生きてこれた自分がいる」と思えて、切ってしまった後悔よりも、この先もう何も怖くないと思える活力になったりします。
リストカットを助長するような発言と捉えられるかもしれませんが、私はリスカをしていたことに後悔はありません。
ただ切った後はそれなりに覚悟を持って生きる必要があることだけは加えておきます。
n:She運営局
今回の記事は、体験談とともにサムネイルも描いていただきました。