私がリストカットを卒業して、5年になります。もう、5年。まだ5年。今でも気持ちは複雑です。

高校生のときに初めて

28歳の女性です。私がはじめてリストカットをしたのは高校生の時でした。その時は、カッターを見て衝動的に切りました。一人でした。
別にいじめられているとかそういうのはなかったし、両親とも普通でした。

スッと切って、あぁ、こういう感じかぁって思っておしまい。誰にも気づかれませんでした。跡もすぐに消えてしまう位の浅い傷でした。
死にたいとかじゃ全くなかったし、ただ切っただけ。その時は、一度きりでした。

専門学校に入って

私のリストカットが本格化したのは、専門学校に入ってからです。
とにかく毎日の講義や試験についていくのが必死でした。決して成績は悪くなかったのですが、ソツなくこなす、とか流す、という事が出来ずいつも周囲に劣等感を抱えていました。

そんな時に、ふとカッターが目にとまりました。鈍臭い自分に当たるように、切りました。無心で、続けて何度か切ったあとに思ったのは「バレたらヤバイ」でした。
当時は実家に住んでいたので、両親に知られることが何より恐怖でした。

こんなのが見つかったら、おかしくなったと病院に連れて行かれてしまう、絶望させてしまうことが怖かったんです。

リストカットが癖になりました

切りたくてたまらなくなるんです。そして、一度切りだしたら止まらない。やめなくちゃと思っているのに、何をしていても切りたくて切りたくて、その事以外考えられないんです。

切ったからって何にも変わらないし、部屋も洋服も汚くなるのは嫌なのに。切りたくって爆発しそうになるんです。
切っている時は無心。頭の中のスイッチをオフにしたような妙な恍惚感がありました。

結局、私のリストカットは専門学校を卒業して1年後ぐらいまで続きました。両親は最後まで気づきませんでした。

今、思う。なぜリストカットだったのか?

私の場合は一つ一つの傷は非常に浅いものでしたが、明らかに異常な傷跡が手首に重なりました。今もはっきりと残っています。

1つの傷が治る前に、また切る。傷がジュクジュクになって気持ち悪くても、切る。
私は妙に潔癖なところがあって、カミソリは必ず毎回アルコール除菌していました。ほんと、馬鹿みたいですよね。

でも、当時はリストカットをしなければ生きられなかったんです。リストカットしていたから、今生きていられた、そう思いさえします。

私は、自分に対するイライラ感で切っていました。自分を傷つけたくてたまらなくなるというか。。切っている時は無心で心が落ち着くんです。おかしいですよね。

今でも、欲求がわくことはあります。でも、切ってもそれだけだと今の私は知っています。対処方法もいくつか習得しました。本当に難しいことだけれど、ありのままの自分を愛してあげること、これが回復への近道だと今は思います。